untitled fragments

ただの日記。たぶん。

心理学で何がわかるか-あんまり手軽ともいえない「心理学まとめ本」*1

心理学で何がわかるか (ちくま新書)

心理学で何がわかるか (ちくま新書)

ひととおり読んで、「うーん、買わなくとも良かったかも…」と思ってしまいました(すみません)。
いや、心理学やってた人なら、まぁ既知のことが多かった訳で。

章立てとしてはこんな感じ。

第1章 心理学とは
第2章 人柄は遺伝で決まるか
第3章 人間は賢いか
第4章 意識の謎
第5章 記憶は確かか
第6章 人と人の間で
第7章 異常な世界へ

章のはじめに筆者の個人的経験が書かれ、それを導入として心理学の研究を紹介していく形です。

「心理学について知りたい」と思っている方には、コンパクトにまとまった良書だと思います。
ただ「平易」かって言われると…どうなんでしょう。結構ハードルは高い気がします。

筆者は第1章で「心理学は科学である」と主張します。一般的な心理学のイメージ(深層心理とか、心理テストとか)を持つ方に心理学の姿を示すのが筆者の目的だと理解しました。
心理学を学んでいた身としては、その目的には共感できます。「心理学をやっている」と言って「じゃぁ今何考えてるか当ててみて」と言われて脱力した経験もあります。
実際の心理学は、正直言うとかなり地道な学問です。深層心理とか言いません。
そして、この本は「科学としての心理学」の姿をかなり明確に書き出しています。それをするには、やっぱり大量の論文を引っ張りだしてくる必要があって、それを「平易に」説明するってのはなかなか難しいものだと思いました。